函館山の麓に佇む「函館雪あかり美術館」。一歩足を踏み入れると、そこは幻想的な光の世界が広がっています。マイナス5度に保たれた展示室には、透明な氷を繊細に削り出した「氷ろうそく」の数々が、やわらかな光を放っているのです。
実は函館には、江戸時代末期から「氷ろうそく職人」という珍しい職人が存在していました。当時、函館の豪商たちは、真冬の宴席を幻想的に演出するため、透明な氷を削って作られたろうそくを好んで使用したのだとか。その灯りは、まるで氷の中で光が踊っているかのような美しさだったといいます。
展示室では、職人たちの技を受け継いださまざまな作品を見ることができます。中でも圧巻なのが、高さ5メートルにも及ぶ「光の塔」。無数の氷の結晶が重なり合い、内部のLEDライトが織りなす光の変化は、オーロラのように神秘的です。また、薄氷のように繊細な「雪の華」シリーズは、まるでガラス細工のような透明感と、スワロフスキーのような輝きを放っています。
週末限定で開催される制作体験に、取材で参加させていただきました。講師の指導のもと、専用の道具で氷を削っていきますが、これが想像以上の難しさ!力加減を間違えると氷が割れてしまうため、まさに職人技が必要なんです。2時間かけて完成した私の作品は、少々不格好な「小さな星」。でも、LEDの光を入れると、思いのほか素敵な輝きを放ち、思わず笑みがこぼれました。

山本 奏美
作った作品は専用の保冷バッグで持ち帰ることができ、家庭用冷凍庫で約1週間は保存可能。函館の思い出として、世界に一つだけの氷ろうそくを作ってみるのはいかがでしょうか。
営業時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
定休日:水曜日
入館料:大人1,200円、中高生800円、小学生500円
制作体験:3,000円(要予約、所要時間約2時間)
住所:函館市氷華町8-15
アクセス:函館市電「氷華町」電停から徒歩3分
定休日:水曜日
入館料:大人1,200円、中高生800円、小学生500円
制作体験:3,000円(要予約、所要時間約2時間)
住所:函館市氷華町8-15
アクセス:函館市電「氷華町」電停から徒歩3分