灯台守の魂が宿る「旧函館灯台守住宅」で味わう神秘のカクテル

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函館の東部、忘れ去られた潮見岬の突端に佇む「旧函館灯台守住宅」。その隣には、高さ15メートルの石造りの灯台「潮見岬灯台」が、今日も変わらず航路を照らしています。明治23年の建造当時、この灯台は「極東の真珠」と呼ばれ、シベリア航路の重要な指標として、多くの外国船の安全を見守ってきました。

「祖父は、ロシアの貨物船やイギリスの客船が往来していた様子を、日記に克明に記していました」と、2代目灯台守の孫にあたる村田守人さん(68歳)は、古ぼけた革表紙の日記帳を大切そうに見せてくれました。「特に印象的なのは、大正時代に寄港したという『オーロラ号』という謎めいた白い客船の記録です。乗客たちは皆、紺色の制服を着ていたそうです」

夜間限定の「灯台守の追憶ツアー」は、旧灯台守住宅からスタート。村田さんの案内で、まずは灯台に向かいます。螺旋階段を上りながら、灯台守たちの苦労話に耳を傾けます。「冬の嵐の夜などは、階段が凍りつくことも。それでも、灯りを絶やすわけにはいきませんでした」

灯台の最上階に着くと、そこには往時のままの第三等フレネルレンズが。月明かりに照らされた光学レンズの輝きは、まるで巨大な宝石のよう。展望室からは、函館の街灯りと漆黒の海が織りなす幻想的な夜景が広がります。

その後、村田さんの案内で岬の遊歩道を歩きます。ここでは、灯台守たちが毎日の気象観測で使用していた古い観測所跡や、密輸船の監視に使われていたという望楼跡なども見学できます。潮風に乗って聞こえてくる波音は、百年前と変わらないリズムを刻んでいるようです。

ツアーの締めくくりは、2階のバー「マリナーズ・レスト」。ここでしか味わえない伝説のカクテル「オーロラスノー」は、まさに函館の夜を体現したような一杯です。特殊な製法で作られた青い氷と、代々伝わる秘伝のハーブレシピが織りなす神秘的な光の演出は、まるで北極海に舞う光のよう。

鳴海 聡史
鳴海 聡史

「このカクテルのレシピは、あの『オーロラ号』の船医から教わったと、祖父が語っていました」と村田さん。グラスの底から湧き上がる青い光を眺めながら、百年以上前の謎めいた客船に思いを馳せずにはいられません。

所在地:函館市潮見岬12-8
営業時間:18:00~23:00
ツアー所要時間:約90分
定休日:毎週月曜、荒天時
この記事は想像上の函館を描いた物語です。潮見岬灯台、旧函館灯台守住宅、マリナーズ・レスト、オーロラスノーカクテルは実在しません。
函館幻想のお店
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